細々書評 ロバート・H・フランク「成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学」

繁忙期絶頂に終わりが見えてきたので、久方ぶりに本屋に行き、本を大量に衝動買いへ。不定期に読みたくなり、数冊買い込み、家で一気に読む、というスタイルなのですが、今回買ったのはこちら。

 

ロバート・H・フランク成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学」

 

ざっと流し読みという感じではありますが、実力主義に対する批判、という面では非常に納得感があります。過去のポストでも人を評価することについて、能力が高いというのをどう図るのかという話を書いた記憶がありますが、それに近いものがあります。

この場合は能力があるから成功するわけではない、という議論ですが、いずれにせよ能力↔成果・利得というのが必ずしも画一的に決まるわけではない、という意味では相通じるものがあるように思われます。

そのあと、この本の叙述としては、環境要因(運・偶然)の要素だったり、そのために公共財を充実させることの重要性、に近い話へと進んでいきます。

 

という本論はさておき、個人的に思うのは、この運や偶然というのを拾う、という力・機会を提供した場合に、みんなが同等にそれを拾得・利用することができるのか、という点。本書の前提では、機会の不均衡等を前提としている一方、同一の機会が与えられた場合にそれを万人が生かすことができるのか、という利用者側のボラティリティはあまり触れられていない(たぶん、それを突き詰めると批判すべき対象である実力主義に関する議論になっていくことから触れていないように思いますが)点。

個人的には、そういった機会の確保を行う一方で、運・偶然という得体のしれないものを見つける・拾えるようにするために備えるように努めるか否か、という点も大事な気がします。そういう意味だと、私は本書の主張よりもかなり実力主義的ではあるように感じます。

 

誰の話とは言いませんが、数年経ったら転職もしていないのにガラッと業種が変わる、ということもあるわけでして、そういった際にそれに適応できるかどうか、みたいなのはある種、それまでにどんだけそういった白紙に戻されるというか、一から積み上げなきゃいけない経験を積んでいるかによるような気はします。とはいえ、これまた誰の話とは言いませんが、3年ほど努力しても全く芽が出ず、挙句人間関係のストレスで十二指腸潰瘍になる、ということもあるので、やっぱり運かなぁというところは大いにわかる話ですね。